Top 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23

20.. サルサの歴史〜サルサ音楽の現状

こういう風にして
非ラティーノの世界で急激に発展していっている
サルサのダンス・シーンですが
先行したアメリカや日本を
最近は特にヨーロッパが追い越す勢いです
そこに経済発展著しいアジア各国が続きます
ますますラティーノから遠くなっていきます

ラテン音楽の流れとは別のところで急に出来た
こういうムーブメントに対して
音楽供給側が対応できていない、と言うのが現状です
急増したダンス人口に対して
バンドもDJも圧倒的に不足しています

ダンスに向くサルサというのは
リズムの変化や曲の展開が少ないものがいいです
あまり歌手が前面に出ず
パーカッションを重視した
リズムの乗りと勢いをメインで出せるバンドというのが
大切です

私たちダンス・シーンのサルサDJも
そういう面からも60年代後半から
70年代の録音をよく使います
サルサ創成期の演奏がダンサーにはベストということです

こういうところから
初期サルサの再評価運動がL.A.から世界に広がっています

今や世界50ヶ国のコングレスの頂点に立っていますが
L.A.コングレスのアルバート・トレス氏は
往年のアーティストたちを順番に
コングレスのステージに招いています
ファニア・レーヴェルのCDのリマスターでの再発も
L.A.で始まっています
(DJにはたいへんありがたいことです)

ファニアの立役者のひとり
コンガ奏者のレイ・バレットは
70年代後半サルサ界に失望し、ジャズの世界で活動します
アルバートは何度もレイのもとに足を運び
ついにL.A.コングレスのステージに立たせました
レイ・バレット20数年ぶりのサルサ演奏でしたが
惜しくも昨年なくなりました

ニューヨークでも再評価は盛り上がっています
ソン、パチャンガ、チャランガの再評価も進んでいます
しかし、決定版は
スパニッシュ・ハーレム・オークストラ(S.H.O.)です
http://www.youtube.com/watch?v=DU1AJphVCrQ&mode=related&search=
サルサ初期に活躍した
忘れられかけていた
スパニッシュ・ハーレムのアーティストたちを
集めるという
キューバのブエナ・ヴィスタのN.Y.版のような企画ですが
(キューバと違って彼らは現役のスタジオ・ミュージシャン化
していました)
我々はあらためてその素晴らしさに感心しました
ポイントは特にその踊りやすさです
グラミー賞を受賞しました

同じようにコロンビアでも
すでにコロンビアのサルサ界を牛耳っていた
プロデューサー、ディエゴ・ギャレが
そういう動きに対応したバンドを量産し人気を得ます
典型がソノーラ・カルセレスです
70年前後のN.Y.の雰囲気をコロンビア・サルサに
ミックスしていきます
http://www.youtube.com/watch?v=G1Oa58joWJI

突然ですが、個人的な意見なので
聞き流してもらえばいいんですが、
はっきり言って、こういうの大嫌いです
好きな方も多いと思いますが
私個人はこういうN.Y.風コロンビア・サルサは
あまりのダサさに絶句します
粗製濫造です。DJでは絶対かけません

まあ、そんなことは別にして
本物のニューヨーク・ハード・サルサの復活が
各地のダンス・シーンで望まれているのですが
当時のアーティストたちはもう高齢化しています
復活してもすぐ死んでしまいます

またまた、個人的な意見ですが
復活アーティストたちは
うまくなりすぎています
完成された素晴らしい演奏なんですが
なんか足りません
70年のサルサの最大の魅力は、その荒々しさです
若い未完成のミュージシャンが
時代の流れを背景に勢いだけで演奏している熱気こそ
サルサ創成期の録音の最大の魅力です

しかし、まだまだインディーズのレベルですが
そういう雰囲気をもったハード・サルサ・バンドが
最近ぞくぞくと世界各地で生まれてきています
まだまだレヴェルは高くないですが
これはなかなか楽しみな現象です
(サルサ界のパンク・ムーブメントみたいですねえ)
次の時代のサルサの原動力になると思います
私もいろんなところで
DJで紹介していきたいと思っています

つぎはそういうバンドを紹介します